ウクライナ侵攻、プーチンが何故決断したか

産経ニュース24日19時付けの

ウクライナ侵攻 試される同盟の力 失敗繰り返すな」という

タイトルの掲載記事を読んだ後、大変良く理解できました。

プーチンは「ウクライナと日本」を同じように考えている。

 

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会見するプーチン露大統領=24日、モスクワ(ロイター)

 

ロシアのプーチン大統領ウクライナ侵攻という暴挙に出た。

他国の主権を無視するだけでなく、「力による一方的な現状変更を

認めない」と警告を発してきた米国や欧州、そして日本をあざ笑う行為だ。

プーチン氏の野心をくじけるかは、法の支配を尊重する西側諸国の

協調制裁にかかっており、今ほど同盟の力が試されているときはない。

ウクライナの危機は日本にとって人ごとではないと肝に銘じる必要がある。

 

プーチン氏が侵攻を決めたことには、ウクライナのゼレンスキー大統領を

揺さぶり、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構NATO)への

加盟を阻止する狙いがある。

加盟すれば、ロシアが2014年3月に併合した南部クリミア半島も、

今回、侵攻した東部ドンバス地方もNATO条約第5条が

定める「集団防衛」の対象となるからだ。

 

ウクライナNATOに加盟し、軍事的手段でクリミアを取り戻そうとすれば、

欧州は自動的にロシアとの紛争に引き込まれる」。

プーチン氏は8日の記者会見で自説を唱えた。軍事作戦の開始を

発表した24日の演説でも、自国の安全のためウクライナの非軍事化を

目指すと強調した。

 

ウクライナNATO加盟阻止がその中核の米国をにらむものとすれば、

プーチン氏の野心はインド太平洋に及ぶ。

ロシアは昨年12月、NATO不拡大を米国に求めた条約案で、

同盟の枠組みの下、相手国の脅威となる地域に軍事力の「配備を

控える」よう求めた。

在日米軍も念頭にあるとみられ、その証拠に露太平洋艦隊は

ウクライナ危機の高まりに合わせて日本周辺で動きを活発化させる。

日本政府はロシアへの経済・金融制裁で欧米と足並みをそろえる。

米国の要請に応え、ロシアからの供給減を懸念する欧州に

液化天然ガス(LNG)を融通することも決めた。

西側の一員としてロシアの専横に立ち向かう立場を明確にしており、

露側の対抗措置を覚悟しなければならない。

ウクライナで侵攻に先立って実施されたサイバー攻撃

日本も対象外ではない。

 

欧州安全保障秩序の書き換えを狙ったロシアのウクライナ侵攻の衝撃は

「世界中に響き渡り、東アジアや台湾にこだまする」(ジョンソン英首相)。

西側諸国の足並みの乱れでクリミア併合を既成事実化させたような

失敗を繰り返せば「現状変更」の災禍は日本を襲う。

(外信部長 加納宏幸)

 

 

ありがとうございます。