「限界集落」と「地方消滅」①

限界集落」と「地方消滅」

最近、この文言がよく話題になってよく登場するが

限界集落」は現実として存在するし、事実消滅した集落は存在する。

限界集落」と「地方消滅」には、「集落」と「地方」という言葉になりますが

規模の違いと消滅する速度の違いの意味合いにも取れます。

「地方」に関しては「する」「しない」と議論が分かれていますが両者を

考えてみたいと思います。

 

「地方が消滅しないという主張」について

地方が消滅しない理由と、地方が持続可能であるための戦略、策を述べてみたいと

思います。

 

地方が消滅しない理由

1.文化的な多様性: 地方はその地域固有の文化や伝統を持っています。

これらは地方のアイデンティティを形成し、地方の魅力となります。

これらの文化や伝統は、地方が消滅しない大きな理由の一つです。

2.地域の経済: 地方は地域の経済を支える重要な役割を果たしています。

地方の産業や事業は、地域の雇用を生み出し、地域経済を活性化します。

3.地域コミュニティ: 地方には強い地域コミュニティが存在します。地域住民が

互いに協力し、地域の問題を解決することで、地方は持続可能な社会を

形成します。

 

地方が持続可能であるための戦略

1.地域資源の活用: 地方は地域の自然資源や人的資源を最大限に

活用することで、持続可能性を確保します。

地域の特産品の開発や観光資源の活用などが具体的な例です。

2.地域経済の発展: 地方自治体は地域経済の発展を促進するための政策を

策定します。地元企業の支援や新規事業の誘致などが行われます。

3.地域社会の参加: 地域社会の参加は地方の持続可能性を高めるために

不可欠です。地域の人々が地域計画やプロジェクトに参加し、自分たちの

地域をより良くするためのアイデアや意見を提供することが重要です。

 

以上のように、地方が消滅しない理由と地方が持続可能であるための戦略は、

地方の文化的な多様性、地域の経済、地域社会の参加など、多くの要素に

よって支えられています。これらの要素が組み合わさることで、地方は消滅せず、

むしろ繁栄することができます。地方の持続可能性を追求することは、

私たちが地方の価値を理解し、地方の持続可能性を追求するための

重要な指針となります。

 

次に、地方の持続可能性を高めるための具体的な施策は以下の通りです。

1.地域資源の効果的な利用: 地域の特産品を活用した新商品の開発や、

地域の観光資源を活用した観光事業の推進などが考えられます。

また、地域の人々のスキルや知識を活用した新たな産業の育成も重要です。

2.地域経済の発展: 地元企業への支援策を強化したり、新規事業の誘致を

行ったりすることで、地域経済の活性化を図ることができます。

また、地域内での経済循環を強化するめの施策も重要です。

3.地域社会の参加: 地域の人々が地域計画やプロジェクトに

参加する機会を増やすことで、地域社会の活性化を図ることができます。

また、地域の人々が自分たちの地域をより良くするためのアイデア

意見を提供できるような場を設けることも重要です。

4.環境保全: 地域の自然環境を保全するための政策を策定し、持続可能な

開発を推進することが重要です。具体的には、自然保護区の設定や

環境教育の推進、エコツーリズムの開発などが考えられます。

これらの施策は、地方の持続可能性を高め、地方が消滅せずに繁栄するための

重要な要素となります。地方の持続可能性を追求することは、

私たちが地方の価値を理解し、地方の持続可能性を追求するための

重要な指針となります。

地方の持続可能性を追求することは、私たちが地方の価値を理解し、

地域社会の繁栄と調和を促進するための重要な指針として、

  • 文化的多様性: 地方固有の文化や伝統は、地方のアイデンティティを形成し、魅力を高めます。
  • 地域経済の支援: 地方の産業や事業は、雇用を生み出し、

地域経済を活性化させる役割を果たします。

  • 地域コミュニティの強化: 地方には協力的な地域コミュニティが存在し、

持続可能な社会を形成します。

 

これらの要素は、地方が消滅せずに繁栄するための基盤となります。地方の価値を

理解し、その持続可能性を追求することは、私たちにとって重要な指針です。

 

地方は消滅しないというための論として「地方の重要性」、「地方の持続可能性」を

説いてきましたが結論としてどのように言えるか

結論として、地方が消滅しないという主張は、地方の重要性とその持続可能性を

強調します。地方の文化的な多様性、地域の経済、そして地方自治体の努力と

地域社会の参加によって、地方は消滅せずに持続することができます。

これらの要素が組み合わさることで、地方は消滅せず、むしろ繁栄することができます。地方が消滅しないという信念は、私たちが地方の価値を理解し、地方の持続可能性を追求するための重要な指針となります。

したがって、地方の存在とその持続可能性は、私たちの社会、経済、そして文化の

多様性を維持するために不可欠であると言えます。これは地方が消滅しないという

主張を支持する強力な論拠となります。地方の持続可能性を追求し、地方の価値を

理解し、尊重することが、地方が消滅しないための最善の戦略であると

結論付けることができます。

 

次に

「地方消滅」に危機感を持つべきという論について

増田寛也氏が座長をしている、「日本創生会議」が2014年に発表したレポート、

これこそが読んで衝撃を受けた、最近読んだのだが、なんせ、このままだと

半数の自治体が消滅するということだから、とにかく驚いた。

この「増田レポート」なるもの、ちょっと長いですが、要約します。

増田寛也

「地方消滅」の要約・・・増田レポートの内容とは?

日本の人口は少子化の影響により、将来的に減少していくことは周知の事実です。

ではどれくらいの人口になるのかというと、2050年には9700万人。

日本人イコール1億というイメージがありますが、2050年には割ってしまいます。

そして、2100年には約4960万人と急減し、これは明治時代と同程度の

水準だそうです。

その原因は、もちろん少子化合計特殊出生率は多少改善したものの低いままですし、これまでの政府の施策も効果をあげられていません。

では、このままどのように人口減は進むのか。そして、どうすれば抑えられるのか。

このレポートの中で提言されています。

 

将来の人口減少を低減させるべく、素早い対応(合計特殊出生率の向上)が必要

人口減を抑えるといっても、実はもうすでに手遅れだったりします。将来的に人口が

減るのはほぼ確定的。いかに減少を抑えるかという段階にあるのが実状です。

人口が大きなタンク内の水であると例えるなら、現在はすでに亀裂が入って

水が漏れ出している状態です。少子化とは、タンクへ注がれる水よりも、亀裂から出て行く水の量の方が多いのであり、しかもその亀裂は埋めることが難しく、常に水が

漏れ出た状態であると言えます。

タンクの水量を保つには、蛇口の水を増やすしかありません。蛇口の水量が、亀裂から漏れ出る量と同じになれば、水量は一定に保たれます。

亀裂は昔から存在しました。当時はタンクへの注水量の方が多かったので

問題ありませんでした。ところが、最近注水が少なくなり、漏れ出す量の方が

大きくなってしまっています。現に、日本の新生児数は過去最低を記録しています。

注水量を増やせば良いのですが、水道工事をするにしても、水量が増えるまでに

時間がかかります。その間タンクの水は減り続けるのです。

水の量を減らさないためには、いかに早く工事に取り掛かって注水量を増やすかが

重要です。

人間をタンクの水に例えるなんて怒られるかもしれませんが、マクロ的に量の問題と

考えるなら、まさにそういうことなのです。この本の中でも素早く手を打つことの

重要さが説かれています。

人口維持に必要な合計特殊出生率は2.07。例えば1.8を2030年に達成、

そして2040年に2.07を達成した場合、将来の人口は9,000万人台で

維持されることになります。人口が減るのは確実なのですが、上で紹介した

4,960万人とは大違いです。この2.07を達成するタイミングが遅くなればなるほど、

将来の人口が低い位置で推移することになります。素早い対策が必要なのです。

 

若い女性の社会移動により自治体が消滅する

その対策として筆者が重要視しているのが、社会移動です。中でも若年女性の

社会移動が特に重要とされています。つまり、ちょうど子供を産む年齢の女性が、

地方から大都市部特に東京へ流れている現状が問題とされているのです。

若い女性が地方から東京に移動している状況は、なんとなく理解できますし、

肌感覚で実感しているところでもあります。

それが問題であるとは、一体どういうことなのでしょうか。

日本の人口はこれから3段回のプロセスを経て、減少していくようです。

現在進行しているのが少子高齢化。まず1段目として、老年人口が増加しつつ

生産年齢人口が減ります。それが2040年頃まで。

2040年には老年人口の増加が止まり、2060年になると老年人口も減少します。

つまり、第2段目は老年人口維持かつ生産年齢人口減少、第3段目は老年人口と

生産年齢人口ともに減少していきます。

ただ、これは日本全体の数字です。人口は地域によって大きな格差が生じます。

それには人口の社会的移動が関わってくるのです。

社会移動は、若年層が地方から大都市部へと移動するのが中心的。

特に20〜39歳の女性の移動に着目しなければなりません。子供の95%は、

その年齢から生まれてくるから。

そしてこのレポートの肝であり、世間をざわつかせた事実がこれです。

2040年までに20〜39歳の女性人口が5割まで落ち込むと、人口が維持できない、

すなわち消滅するとされており、そのような市町村は896にも及ぶというのです。

全市町村で1,741ですから、日本の自治体の半数が「消滅可能性都市」なのです。

驚きです。

 

東京は人口のブラックホール

このような地方が消滅しそうなほど大都市部に人が集まる社会を、筆者は「極点社会」と呼んでいます。他の先進国を見ても、首都圏に人口が一極集中しているのは

異例であり、日本特有の課題です。

特に問題なのが、人口が過密する地域は出生率が下がること。東京の出生率

ダントツで低いのであり、極点社会は人口減に拍車をかけます。

まさに東京は「人口のブラックホール」なのです。

 

出生率の高い地方中核都市に若者をせき止める

では、国や地方自治体はどのような政策を取れば良いのでしょうか。

かつて「日本列島改造論」や「田園都市構想」といった施策が実行されてきました。

確かに地方は発展しましたが、人口流出の流れを変えるだけのインパクトは

ありませんでした。

筆者は、時間を考慮して「積極的政策」と「調整的政策」を並行して推し進めなければならないとしています。積極的政策では、人口の流れを大きく転換する施策です。

当然長い時間が必要です。そこで、まずは地方からの人口流出を止血すべく、

調整的政策を行います。地方での産業創出や教育機関の分散をすることで、

人が地方にとどまるようにするのです。

ではどこで止血するべきなのか。筆者は、地方の中核都市に若者がとどまるように

するべきであると述べています。地方中核都市を、東京へ若者が流れ出るのを

食い止める「ダム」とするのです。

地方の都市は、東京といった大都会よりも出生率が高く、子育てには適していると

言えます。東京へ移動する人口を少しでも地方にとどめることで、

日本全体の出生率を向上させることができるのです。

 

これから実施すべき政策や取り組みとは?

地方と大都市間の人の移動は、

1.学校への入学、

2.最初の就職、

3.40歳頃の転職、

4.定年の四つの機会があり、それらの時期に合わせた方策が必要です。

まず、地方での教育や雇用を強化しなければなりません。また、中高年の移住促進も

効果的でしょう。また、地方における産業を促進するためにも、地域の金融を

再構築しなければなりません。

そもそも、少子化が進行する背景には、非正規雇用が増えたりと、

若年層の経済的基盤も理由であるとされています。

経済的に結婚したくてもできない人が多いのです。

近頃は晩婚化していますが、女性が20歳代前半という若い時期に子育てを

開始すればするほど、出生率が上がります。

そのため若い人が安心して結婚できるよう、どんな職種であっても夫婦で

年収500万円を得られることを目標にすべきであるとも提唱されています。

企業における意識改革も必要です。長時間労働を是正して、男性も育児に

参加できるようにすべきですし、女性がもっと活躍できる職場でなければなりません。企業別に出生率を公表するのも一つの手であります。

また、レポートの中では、北海道の状況が紹介されています。大きな面積を持つ

北海道は、人口の状況において日本の縮図であると言えます。ここで注目したいのが、

札幌市のケース。実は札幌市は東京都に次いで2番目に出生率が低いのです。

その理由は、若年層の男女の人口がアンバランスであること。

北海道中から若年女性が集中するのと同時に、男性は主に東京へ流出することから、

札幌市は1割程度女性の人口が多い状態にあります。そのアンバランスにより、

出生率が低下したのです。女性の方が多いのですから、結婚できない女性が増えて

当然です。そして、その出生率の低い札幌へ若い女性が続々と集まることで、

北海道の人口減少の要因となってしまっています。

では、どのような地域が人口を増やしているのか。6つのモデルが紹介されています。「産業誘致型」「ベッドタウン型」「学園都市型」「コンパクトシティ型」

「公共財主導型」「産業開発型」です。中でも産業開発型がカギであると

されています。

地域の資源を活かした新たな産業振興により、地域の自立を促します。

例えば福井の鯖江といえば、眼鏡の一大産地です。海外産の眼鏡という不安要素は

ありますが、福井県内で人口増加率トップを誇ります。産業が盛んであれば、

会社が集まり、そして人も集まるのです。

 

「地方消滅」を読んで考えたこと。ー企業の地方移転が鍵となるー

東京一極集中の問題が昨今話題となっています。雇用環境の貧弱な地方から

大都市部へと人口が流出し、それが地方における人口減少を招いていることは、

誰もが知るところでしょう。

そして、そのような社会移動が、地方だけでなく日本全体の人口減少の原因とも

なっていることについて、ご存知な方は少ないのではないでしょうか。

東京は決して子育て適した地域ではないのでしょう。その証拠に出生率が全国で

もっとも低いのであり、そんな東京に若者が集まればどうなるでしょうか。

まさに人口のブラックホールです。

東京の出生率の低さは、以前よりこんな記事を書いていたので知るところでは

ありました。

ただ、若年世代の女性がキーであることは、この本を読むまで知りませんでした。

確かに出生率は、女性が一生の間にどれだけの子供を産むかの指標であり、

子供を産む年齢の女性の環境が大切なのは納得です。

 

企業の地方移転が鍵となる

では、どうすれば若者が地方にとどまるのか。自分なりに考えてみました。

それはやはり、「仕事があること」に尽きるでしょう。クリエイティブな人は、

どこでもネットを使って仕事を創り出すこともできるのでしょうけど、みんながみんなそういう訳にはいきません。雇用の絶対数が必要です。

過去の地方活性化は、企業の工場を郊外に整備した工業団地に誘致することが

目的でした。どこに行っても、ちょっとした丘の上に○〇工業団地が造成されて

います。

しかし、最近の工場って高度にオートメーション化されており、雇用数なんてそれほど多くはありません。一つの工場ができても、新規雇用数は100人や200人が

関の山でしょう。

それなら本社が移転するしかありません。パソナの淡路島移転が話題になりました。

そもそも金融だけじゃなく、製造業やサービス業などあらゆる企業の本社が東京に

集まらなければならない理由ってなんなのでしょうか。上場企業の半数以上が

東京に本社を置いています。

海外に目を向けても、日本のように一つの都市に政治から経済まで集中して

いるのって、ソウルに集中する韓国ぐらいのものではないでしょうか。

アメリカの場合、トップ100の企業のうちニューヨークに本社を置いているのは

4分の1しかないそうです。日本の場合、7割も集中しています。

企業が東京に集中するから、新卒の学生がそのまま東京に移動するのであり、

少しでも企業の地方移転が進めば、若年層の社会移動を抑えられるはずです。

 

いまどき東京を目指すべき?

そして、東京への集中って、なんだかブランド信仰的な要素もあるのではと、

少々うがった見方をしてしまいます。東京に住む自分ってなんだか特別な存在で

あるという感覚が多少でも意識の底にあるんじゃないでしょうか。

東京への憧れって、ブランド物に身を包むバブル期のような印象を受け、

決してカッコイイものではないような気がします。身の丈に合わないルイ・ヴィトン

持つようなものであり、普通のサラリーマンにとって東京はオーバースペックな

感じがします。

もちろん経済合理性が一番の理由であると思いますが、これまで地方から東京へ

移転を決めてきた経営層には、そのような昭和的な感覚も少なからずあったのでは

ないでしょうか。

 

地方頑張れ!特に大阪!

マクロ的に、そして長期的に考えた場合、極点社会は経済学でいう合成の誤謬であり、自らの首を締めるようなことだと思います。日本のGDPの大部分は貿易ではなく

内需であり、少子化はその内需の減少につながっていきます。

そもそも東京一極集中は経済合理性を求めた結果であるなら、皆んなが同じように

合理性を目指して行動すれば確実に需要が減るはずです。

人口のブラックホールである東京へ集中する流れを、変えていく必要があるでしょう。

そこで、地方の中核都市をダムにするべきであるという論調は、普段の自分の考えにかなり近く、納得するばかりでした。仙台や金沢、京都、松山、広島、福岡、

鹿児島などなど、地方の大都市が活性化することは、日本全体にとって良い方向へと

進む鍵になると思います。

特に大阪。かつて大阪にもたくさんの企業の本社がありましたが、どんどん東京に

流出してしまいました。大阪で営業していた時でも、顧客の発注権限が東京に

移ったり、企業そのものが東京へ移転した場面に何度も遭遇しました。

地盤沈下を肌で感じたのでした。

2025年にはIRの開業や、大阪万博が控えています。かつて江戸時代は、

天下の台所と言われたように、商業で大きく栄えた大阪。その流れで、保険や商社、

製薬などあらゆる業種の本社が置かれていました。今はみんな東京。

まずは、大阪の復活。そしてその勢いが地方へと波及すれば良いのですが。

 

 

ありがとうございます。